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『NEWSを疑え!』第153号(2012年10月11日号)

『NEWSを疑え!』第153号(2012年10月11日号)
◎日本核武装論をリアリズムから眺めると
・核武装には日米同盟の解消が必要
・防大教授の試算:日米同盟解体のコストは年間22~23兆円規模
・核武装すると、日本の安全は低下する
◎セキュリティ・アイ:対イラン経済制裁が成功しない三つの理由(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:イラン核施設を空爆すれば8万人以上が死傷(西恭之)
◎編集後記:クリストフ氏は西君の投稿を掲載した

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆日本核武装論をリアリズムから眺めると◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:竹島問題で韓国が、尖閣諸島で中国・台湾が、日本への抗議行動をエスカレートさせるのを、北朝鮮は「日本を揺さぶる絶好のチャンス」とばかりに、したたかに観察していました。2012年は日朝平壌宣言から10年という節目。日本の政権交代は時間の問題で、米中韓の次期指導者の選出も間近。そんな機会をとらえて、日朝交渉で動きを見せたわけです。しかし、日本の周辺がこうもゴタゴタして、北朝鮮との拉致問題も進展しなければ、またぞろ日本の核武装論が再燃しかねない状況ともいえそうです。今回は、日本が核武装したときの利害得失について、考えを聞かせてください。

小川:「日本で最近、核武装論が持ちあがったのは、北朝鮮が2009年4月5日に弾道ミサイルの発射を強行したときですね。名目は『人工衛星の打ち上げ』とはいえ、日本本土上空にコースを設定し、日本に対する敵意をむき出しにした暴挙です。日本の国民が強い危機感を抱き、北朝鮮に対する先制攻撃や反撃の能力を備えることで抑止したいと考えるのは、当然のなりゆきでしょう。核武装論や敵地攻撃論の議論が高まったわけです」

「しかし、私は『中央公論』2009年6月号に『核武装・敵地先制攻撃の覚悟が日本にあるか』という論考を書いて、『座して死を待つのか』『片道燃料で航空攻撃せよ』といった感情論は、現実離れした世論形成を許してしまう点で、かえって日本の安全を損ねかねない、と批判しました」

「というのは、何より重要なのは『北朝鮮に弾道ミサイルを発射させないこと』だからです。北朝鮮に核開発を放棄させることも、拉致問題を解決することも、北朝鮮の暴発抑止を実現する文脈において初めて可能となります。抑止について何一つ考えず、核武装論や敵地攻撃論だけをもてあそんでも無意味です。日本国民に求められているのは、どうすれば北朝鮮の脅威から自らを守ることができるのかという、リアリズムに基づく覚悟と選択だ、と私は考えています」

「ところで2012年6月、毎日新聞社から『コストを試算! 日米同盟解体 ―国を守るのに、いくらかかるのか―』という本が出ました。著者は防衛大学校安全保障学研究会の武田 康裕、武藤功の両氏で、武田氏は防衛大学校の国際関係学科兼総合安全保障研究科教授、武藤氏は同じく公共政策学科兼総合安全保障研究科教授です」