『NEWSを疑え!』は有料メールマガジンコンテンツです。バックナンバーは会員登録をされた方のみ読む事が出来ます。
  • 会員登録をされていない方は「購読する」ボタンより購読手続きを行って下さい。
  • 購読する

  • 会員の方は枚ページログイン後「バックナンバーを読む」ボタンよりお読みいただけます。
  • バックナンバーを読む

『NEWSを疑え!』第155号(2012年10月18日号)

『NEWSを疑え!』第155号(2012年10月18日号)
◎尖閣問題の鍵を握る海上保安庁
・日本は世界第2位の沿岸警備隊を備えている
・「海洋大国」なら、3倍はほしい海上保安庁予算
・課題が残る海上自衛隊との連携
◎セキュリティ・アイ:「iPS細胞虚言事件」が浮き彫りにした日本マスコミのレベル(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:韓国の弾道ミサイル射程延伸は疑問だらけ?(西恭之)
◎編集後記:ザル法をあざ笑うオスプレイへの凧・風船攻撃

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆尖閣問題の鍵を握る海上保安庁◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:2012年8月16日に尖閣諸島の魚釣島に上陸した香港の活動家らを、日本が逮捕、強制送還すると、中国では反日の動きが活発化しました。9月10日に日本政府が尖閣諸島の国有化を閣議決定すると、さらにエスカレートし、9月15日には過去最大規模の反日デモが中国各地で発生して、現地に進出した日本企業が襲撃される異常事態となりました。中国の船に加えて、親日的だったはずの台湾の船まで尖閣諸島に近づき、ネットでは「海上自衛隊を出せ」といった極論も散見されます。そこで今回は、こんなときのためにこそ海上保安庁があるのだ、という話を聞かせてください。

小川:「まず強調したいのは、一般の国民からすれば海上自衛隊とあまり違わないと思うかもしれない海上保安庁が、なぜ日本に必要なのか、ということです。これについては当メルマガの第39号(2011年8月18日号)『「海上保安庁」を考える──なぜ「二つの海軍」が必要なのか』でも論じましたが、改めてお話ししておきます」

「海上保安庁は、海上保安庁法という設置法の第2条に『法令の海上における励行、海難救助、海洋汚染等の防止、海上における犯罪の予防及び鎮圧、海上における犯人の捜査及び逮捕、海上における船舶交通に関する規制、水路、航路標識に関する事務その他海上の安全の確保に関する事務並びにこれらに附帯する事項に関する事務を行うことにより、海上の安全及び治安の確保を図ることを任務とする。』と規定された海上警察、いわゆる『海の警察』です」

「同法第25条で『この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。』とわざわざ断っているように、これは軍隊ではありません。しかし、英名は『Japan Coast Guard』、つまり沿岸警備隊で、装備などから見ても、明らかに軍隊に似た準軍事組織ですね」

「世界を見わたせば、200近くある国のうち135か国が、軍隊とは別に国境警備隊または沿岸警備隊と呼ばれる”準軍隊”を持っています。沿岸警備隊を持つのは、日本も含めて62か国です。なぜ、全体の3分の2に上る多くの国が、正規の軍隊以外に国境・沿岸警備を担う準軍隊を持っているのでしょうか」