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『NEWSを疑え!』第158号(2012年10月29日特別号)

『NEWSを疑え!』第158号(2012年10月29日特別号)
◎テクノ・アイ:離島奪還を考える日本に──これが欧米の新型上陸用舟艇だ(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記:国会議員にあらずんば人にあらず(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

離島奪還を考える日本に──これが欧米の新型上陸用舟艇だ(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 尖閣諸島周辺の緊張によって、日米共同統合演習での離島奪還訓練(結果的に中止)や陸上自衛隊による「海兵隊」の創設など、水陸両用戦に関する話題が注目を集めている。そこで今回は、主要国の海軍が災害救援を含む多様な作戦に備えて近代化を進める、上陸作戦用装備を取り上げたい。

 在来型の上陸用舟艇は、座礁を避けるため吃水は浅く、船底は平らで、板状の船首を海岸に降ろすと、部隊を上陸させる渡し板となる。

 このタイプの上陸用舟艇に戦車を載せた場合、速度はせいぜい9ノット(時速17キロ)にすぎず、陸上で待ち受ける敵からの攻撃に弱い。また、こうした船体は凌波性が悪く、干潟や沼地には出入りできないので、作戦可能な海岸線が限られるという制約があった。

 そこで1950年代以後、各国はさまざまな地形の海岸に、高速に部隊を揚陸するため、ホバークラフトを応用したエアクッション型揚陸艇(LCAC)を開発してきた。

 世界のLCACの標準となったのは、米海軍が1986年に運用を開始し、これまで97隻が生産されたLCAC-1級である。現在、米海軍が74隻、海上自衛隊が6隻を運用している(海自は「エアクッション艇1号型」と呼称)。中国海軍も、LCAC-1に似た726型LCACを2010年から揚陸艦に配備している。

 LCAC-1級は全長26.4メートル、全幅14.3メートル、低速時の最大積載量75トン。戦車1両に相当する54トンを搭載した場合、200海里(370キロ)の距離を、わずか5時間(40ノット=時速74キロ)で航行することができる。

 甲板は高速走行による風、波飛沫、ガスタービンエンジンの騒音と排気にさらされるが、人員輸送用モジュールを搭載すれば、歩兵180人を安全に輸送できる。