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『NEWSを疑え!』第167号(2012年11月29日号)

『NEWSを疑え!』第167号(2012年11月29日号)
◎日本の国会にも欲しい『GAO(米議会の政府監査院)』の機能
・F-22戦闘機や原潜シーウルフの調達中止もGAO
・GAOに1ドル使わせれば、81ドルが国民に戻ってくる!
・5年以内に80%以上が実現するGAOの指摘と提言
◎セキュリティ・アイ:英字紙に寄稿した玄葉外相の主張は国際的に通用するか(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:米軍が東南アジアで発揮するソフトパワーとは(西恭之)
◎編集後記:ちゃんとできるの…?日米共同パトロール

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆日本の国会にも欲しい『GAO(米議会の政府監査院)』の機能◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:小川さんは、メルマガ2012年11月8日号の編集後記「いまの日本は、やり繰りのできない家計」で、アメリカ連邦議会の政府監査院(GAO)に触れています。GAOについて、もっと詳しく聞かせてください。

小川:「その編集後記で私は、民主主義のシステムを機能させるために、日本でもアメリカ連邦議会の政府監査院(Government Accountability Office=GAO)にあたる仕組みを整え、厳しく税金の使途に目を光らせるべきだ、と書きました」

「そう書いたきっかけは、『2012年11月5~6日に第9回アジア欧州会議(ASEM)首脳会議が開かれたラオス・ビエンチャンの国際会議場は中国が総工費58億円を拠出したもの』と報じられたからです。日本は、会議場をポンと寄贈してラオスと東南アジアでの存在感や影響力を強める中国の後塵を拝してしまいました。その日本が、一方では中国への政府開発援助(ODA)を2007年度までに累計6兆円以上も注ぎ込んできた。それは何事か、という話でした」

中国がラオスにプレゼントした国際会議場のもとになったおカネは、日本の援助が支えた経済発展によってもたらされました。日本としては、中国へのODAをすべて打ち切ってでも58億円を捻出し、ラオスで存在感を示すぐらいの戦略的な姿勢が必要だったはずです。別に中国と喧嘩する必要はありませんが、相手は世界第2位の経済大国になったのだから、話し合ってODAを円満に終了するのが当たり前でしょう」

「ところが、日本政府は対中ODAのムダ遣いを一向に改めない。その挙げ句の果てに、香港の活動家らの尖閣諸島不法上陸事件をきっかけに、日本は2012年夏以降、中国から大きな『災い』を被ってしまった。日本にGAOのような機関があり、米国なみに機能していれば、少なくとも対中ODAのような税金の垂れ流しが看過されるはずがありません

「日本国民にGAOの姿が正しく伝えられ、必要性が認識されない根本的な原因は、新聞はじめメディアの伝え方にあります。GAOを『政府監査院』と表記する場合が少なからずあります。ジェネラル・アカウンティング・オフィス時代のGAOは、そのまま『会計検査院』と翻訳されてきました。多くの国民が、GAOは日本の会計検査院のような政府内の会計監査組織と思ってしまうのは、無理からぬところがあったのです。しかし、GAOは『米連邦議会の政府監査院』であり、『米政府の監査院』ではないのです。日本の会計検査院とは違い、政府から完全に独立しています。会計検査と行政監察の高い能力を備え、アメリカ政府すらもたじろがせる存在がGAOなのです」