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『NEWSを疑え!』第189号(2013年3月4日特別号)

『NEWSを疑え!』第189号(2013年3月4日特別号)
◎テクノ・アイ:北朝鮮は旧ソ連の中距離ミサイル技術を習得していない?(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記:10年前のメールを読み返してみたら…(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

北朝鮮は旧ソ連の中距離ミサイル技術を習得していない?(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めている証拠として、衛星打ち上げロケット「銀河3号」とともに、旧ソ連のR-27潜水艦発射弾道ミサイル(西側ではSS-N-6と呼称)を改造したとされる中距離弾道ミサイル「ムスダン」の存在が挙げられ、銀河3号の第二段にR-27が応用された可能性が語られてきた。

 しかしながら、昨年12月に発射された銀河3号の分析が進むにつれて、第二段はスカッドミサイルを応用したものであり、したがって、北朝鮮がR-27の技術を習得した証拠とはならないことが判明した。

 北朝鮮がR-27の技術を習得した可能性があると目される理由はほかでもない。北朝鮮の長距離ミサイルと衛星打ち上げロケットは、どれもスカッドの技術をベースとしており、その前提に立つと搭載重量や精度に限界が生じるのに対して、R-27をベースにすると次の点でスカッド系列のミサイルよりも優れているからだ。

1)R-27は、比推力(推進剤の流量に対する推力の比)が大きな燃料(非対称ジメチルヒドラジン(UDMH))と酸化剤(四酸化二窒素)を組み合わせている。これに対して、ノドンはケロシン系燃料、酸化剤として抑制赤煙硝酸、点火用燃料として少量のUDMHを用いている。

2)エンジンの燃焼方式も、R-27は比推力が大きな二段燃焼サイクルを用いている。この方式では、推進剤の一部を燃焼したガスでターボポンプを駆動し、そのガスを主エンジンで再び燃やす。一方、スカッド系のエンジンは、開発と製造が容易なガス発生器サイクルを用いており、次の図でいえば、 (1)ターボポンプを駆動したガスは、(4)主エンジンと(6)ノズルの右側、(5)燃料調整弁の左側の筒から捨てられ、推力とならない。


銀河3号の第一段エンジンの仕組み
(韓国国防部『北韓長距離ミサイル残骸調査結果』、2013年1月18日)