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『NEWSを疑え!』第205号(2013年4月25日号)

『NEWSを疑え!』第205号(2013年4月25日号)
【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆日本が成功するとき、失敗するとき
◆『外の血』で成功した日本サッカー
◆『頭脳移植』で列強に追いついた明治の日本
◆弱点を自覚しない日本の価値観
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・日本は「法と正義の原則」で領土問題を打開せよ(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・米中は危機に機能する本物のホットラインを持てるか(西恭之)
◎編集後記
・あれれっ…パーティー会場に知り合いがいない!

◇◆日本が成功するとき、失敗するとき

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:日本がTPP(環太平洋経済連携協定)に参加するための日米両政府の事前協議は、2013年4月に入って、ようやく決着のメドが立ったようです。ただし、農産物は事前協議の対象ではなく、参加を急ぐ日本が自動車で譲歩する姿勢ばかり報じられ、先が思いやられます。外交交渉の体をなしていなかった民主党政権よりはましでも、日本の外交下手は相変わらずではないか、と。いかがですか?

小川:「TPPの”建前”は、加盟国間の関税や非関税障壁をなるべく撤廃していき、貿易自由化を進めて互いの経済成長を図る、というものです。『日本のコメは聖域に』といっても、海外から日本に届く10キロ1000円のコメに780%の関税をかけ、8800円で売らなければならないというのは、いくらなんでも通りません。コメづくり農家も、そこまでは求めていないはずで、どこかで妥協点を探すしかないでしょう。最初から780%か0%か、二つに一つという話ではないのです」

「アメリカの自動車市場もミッキーマウスの著作権も同様で、アメリカの一方的な主張に従う必要などなく、タフな交渉を重ねて着地点を探すべきです。日本は『貴国のこの部分が閉鎖的ではないか』とか、『貴国のこの分野の主張はTPPの趣旨に反する』と、もっと主張してよいですね。最初のうちは吹っかけておき、だんだんマケていくべきで、最初に低い要求を出すと、想定を超えてマケさせられてしまう結果になりかねません」

「日本政府の主張には、まだ公表できない部分があるでしょうから、交渉の今後を見守りたいと思います。日本側は、時間切れを恐れて焦っているようで、下手な妥協をしてしまわないかという点が、やや心配です」

「日本人は優れた能力を持ち、日本は長い歴史と伝統を背景にユニークな文化を持っています。そのことは世界中が認めていますが、一方で日本には、外交交渉や軍事を含む安全保障、危機管理に代表される弱点や苦手な部分があり、克服できていません。しかし、歴史を振り返れば、かつての日本には、そんな弱点を克服し、それなりの成功を収めた先人たちがいました。私たちは、先人たちについて事例研究を重ね、学び、苦手な部分を乗り越えていかなければならないと思います」