- 『NEWSを疑え!』第214号(2013年6月6日号)
- 【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆自衛隊「制服組」でも、こんなことがある
◆戦車のウインカーは日本だけという思い込み
◆掃海部隊OBがペルシャ湾派遣で口にしたのは…
◆第一線の気持ちを考えない将軍・提督
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・米国との軋みを増す韓国の原子力ビジネス
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・中国は南シナ海での米海軍の行動を認める?(西恭之)
◎編集後記
・アフリカ開発会議の陰に「よい外交官」
◇◆自衛隊「制服組」でも、こんなことがある
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久
Q:4回ほど前のメルマガで、自衛隊の定員が減らされている問題をうかがったとき、ある海上自衛隊OBが主計官に「陸自なんて不要」と入れ知恵していたという話が出ました。おかしな歴史観を振りまいてクビになった航空自衛隊トップがいましたから、自衛隊「制服組」が、いつも正しいわけではありませんね。いかがですか?
小川:「そう、ときには自衛隊の『制服組』を疑ってみることも必要ですね。たとえば2012年4月末、憲法記念日を前に産経新聞が『欠陥憲法』という特集を組んだときのことです。産経新聞は記者2人の署名入りで、自衛隊の戦車が必要ないウインカーを自主的に取り付けている背景には、憲法で明確に規定されていない自衛隊が戦後社会で『認知』されてこなかった厳しい歴史がある、という記事を1面に掲載しました」
●産経新聞【欠陥憲法】(1)戦車にウインカー 「軍隊否定」の象徴
(2012年4月28日付記事の冒頭部分)
「チカッ、チカッ」
90式戦車の左前方のウインカー(方向指示器)が、オレンジ色のランプを点滅させ、左折の合図を出した。
平成23年11月6日夜、北海道苫小牧市内。東千歳駐屯地(北海道千歳市)を出発した陸上自衛隊第7師団の戦車部隊は交差点を行儀良く曲がっていった。演習先の日出生台演習場(大分県由布市など)へ向かうためだ。