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『NEWSを疑え!』第219号(2013年6月24日特別号)

『NEWSを疑え!』第219号(2013年6月24日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・中国が狙い撃ちする米軍のサイバー面の弱点
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・まともになってきた集団的自衛権の議論(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・中国が狙い撃ちする米軍のサイバー面の弱点

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 米陸軍のヘリコプターや米海軍のイージス艦には、複雑な機械や設備の維持・保守を効率化するための「状態基準保全」という方式が導入されている。これから述べるように、この方式には多くのメリットがあるが、同時に、兵器システムの動作状態に関する大量の情報を送信し、蓄積していることが、米軍にとってのサイバーセキュリティ上の弱点となっている。

 故障を未然に防ぐ維持保守の方法として、昔から行なわれてきたのは、故障の有無に関係なく、一定の期間使用した部品を交換したり、一定の周期ごとに機械・設備を分解して点検したりする「時間基準保全」である。この方法は信頼性が高いが、不必要な部品交換や運転停止を行なうことになるので、経済的でない。

 そこで、1980年代に民間で普及したのが、機械・設備の動作状態から劣化の程度を把握して、故障の発生を予知する状態基準保全(予知保全)である。この方法では、部品交換や運転停止の時期を生産計画に合わせることができる。また、維持・保守の外注によって、ユーザー側の負担を減らし、機械・設備の海外展開が容易になるメリットもある。維持・保守の担当者にとっても、部品や機械の使用と劣化の傾向を、機種別、顧客別に把握できる利点がある。


米軍が採用した民生品の車両データ収集装置
(Army Logistician 2008年7‐8月号)

 しかし、状態基準保全は、機械・設備の動作状態のデータを日常的に送信し、維持・保守を担当する部門・企業で蓄積する必要があるので、サイバーセキュリティ上の弱点が生じることになった。