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『NEWSを疑え!』第230号(2013年8月5日特別号)

『NEWSを疑え!』第230号(2013年8月5日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・米軍が開発する画期的な止血剤
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・内閣法制局の四角いアタマは丸くなるか(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・米軍が開発する画期的な止血剤

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 災害、戦場を問わず、負傷者が腹腔の内臓または血管から内出血すると、お手上げに近いというのが現状だ。圧迫止血法も止血帯も役に立たないし、現場の医療従事者は、どこから出血しているのか視認することもできないからだ。

 米陸軍外科研究所によると、体外からの圧迫止血が不可能な出血による死者数は、近年の米軍戦死者の20パーセントにのぼり、これは救命できる可能性があった米軍戦死者の半数を占めているという。

 それにもかかわらず、腹腔内出血を止めるには、負傷者を手術室へ搬送するしか方法がなかった。これは災害・事故現場や戦場では不可能に近い。

 止血に成功すれば負傷者の生存率を飛躍的に高めると思われる腹腔内出血に対して、マサチューセッツ総合病院とハーバード大学医学大学院に勤務するデビッド・キング医師は、腹腔に注射すると泡となって拡散して固まり、腹腔内の傷口を圧迫して止血する薬剤の開発を思いついた。

 キング医師は、予備役の米陸軍軍医としてイラクとアフガニスタンに出動し、数多くの負傷兵が、手術室に到着する前に内出血で死亡する現場に立ち会った経験を持つ。

 このキング医師の提案に対して、国防高等研究計画局(DARPA)は共同開発の相手としてマサチューセッツ州の生体材料メーカーのアーセナル・メディカル社を紹介した。


肝臓から出血している負傷者に対する泡止血剤注射の側面図