『NEWSを疑え!』は有料メールマガジンコンテンツです。バックナンバーは会員登録をされた方のみ読む事が出来ます。
  • 会員登録をされていない方は「購読する」ボタンより購読手続きを行って下さい。
  • 購読する

  • 会員の方は枚ページログイン後「バックナンバーを読む」ボタンよりお読みいただけます。
  • バックナンバーを読む

『NEWSを疑え!』第241号(2013年9月19日号)

『NEWSを疑え!』第241号(2013年9月19日号)
【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆だから、私は嫌われる(笑)
◆阪神・淡路大震災の検証でもガブリ
◆国立大学教授の根拠なき論考
◆有能だがキバとツメを持たない記者
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・汚染水報道が福島第一のリスク管理を妨げている
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・銃乱射を生んだ米軍身元調査の機能不全(西恭之)
◎編集後記
・私のセンチメンタル・ジャーニー

◇◆だから、私は嫌われる(笑)

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:3.11東日本大震災から2年半たちましたが、いまなお福島第一原発で放射性物質を含む汚染水300トンがタンクから漏れて海に出た、何千億円規模の復興予算が地震や被災地と関係ないところで使われている、などと報じられます。もちろん東京電力や各省庁という当事者も問題ですが、一方でメディアによるチェックはどうなっているのか、なぜ、こうなる前に「現在のやり方はまずいのでは」と問題提起できないのか、とも思います。今回は小川さんのメディア論、ジャーナリズム論を聞かせてください。

小川:「たとえば原発報道や沖縄・普天間報道など、何を例にとっても、メディアの突っ込みは甘いし、いつも後手に回っています。原発問題では、東京電力が悪いと非常にステレオタイプで薄っぺらな叩き方をします。しかし、各地方に巨大電力会社が1社ずつしかない寡占体制の弊害や電力自由化の遅れについては、どのメディアも突っ込んだ取材や報道をしません。いうまでもなく、どの地方でも電力会社は地方紙・地方テレビ局の最大のスポンサーですから、その存在に異議を申し立てるような取材や報道は最初から放棄しているのです」

普天間問題でもメディアは、空軍のヘリ墜落事故が起きたのにオスプレイ配備を強行する米軍が悪い、日本政府も弱腰だというように、情緒的な物言いに終始しています。気の毒なのは沖縄の人びとだ、という記事を必ず載せるのですが、根本的な解決策を模索しようとはしません。前号でお話ししたように、そもそもなぜ、なんのために米海兵隊が沖縄にいるのかすら、突っ込んで報道しないのです」

「新聞も放送も総じてチェック機能が劣化し、『発表ジャーナリズム』に近づいている、という印象を強く持ちます。相変わらず記者クラブを拠点として、政治家、役所、企業などの『発表』を右から左にそのまま伝えることを、自分たちの主な役割と考えているわけです。そうしているかぎり政治家、官僚、企業広報などとの摩擦は起こらず、取材先は大歓迎でしょう。そんな現状に甘んじ、取材先との『なあなあ』の関係を維持しようとする記者が、ますます増えているように感じます」

「これは、地方紙の記者となり、週刊誌記者をへて軍事アナリストとして独立し、マイナーながらテレビの番組を持ったりした私の歩んできた道とは、正反対です。今回は、自分の経験を踏まえながら『だから、私は嫌われる(笑)』という話をしておきたいと思います。もちろん、取材相手から嫌われるのを恐れているようではジャーナリズムとは言えない、という意味も込めているつもりです」