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『NEWSを疑え!』第250号(2013年10月28日特別号)

『NEWSを疑え!』第250号(2013年10月28日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・米政府には無力?無人機攻撃批判
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・米軍はアウトローの集団か?(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・米政府には無力?無人機攻撃批判

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルとヒューマン・ライツ・ウォッチは10月22日、それぞれパキスタンとイエメンについて、米国の対人攻撃に関する報告書を発表した。両団体の報告書は、民間人の被害など国際人道法上の問題を指摘している。

 しかしながら、両団体の報告書には、無人機が使用されなかった例外的な事例や、民間人に対する現地の軍・武装勢力の脅威を無視した主張も散見され、米政府を動かすほどの説得力を備えたものとはなっていない。

 アムネスティが大きく取り上げている二つの事例のうち一つは、2010年10月24日、アフガン国境に近い北ワジリスタン地区の村を無人機が攻撃し、農作業中の68歳の女性が死亡した事件だ。これは悲劇には違いないが、米国の方針を批判する材料とするには、以下の問題点を無視したものとなっている。

1)証言が米国の無人機の性能と一致しない。犠牲者の孫によると、同型の無人機の編隊が、昼も夜も村の上を飛んでいたという。しかし、米国の無人機は、編隊飛行に欠かせない、他の航空機との衝突を予測し、回避する手段を持っておらず、したがって編隊飛行することはない。

 アムネスティは他の村でも「無人機の偵察飛行を目撃した」「いつも無人機のエンジン音が聞こえる」といった証言を採用している。しかし、米国の無人攻撃機は高度3000メートルを飛行し、地上にいる人間の目と耳では発見できないのが普通だ。一方、パキスタン軍の戦闘機と戦闘ヘリは、爆音を発して編隊飛行し、武装勢力に対する攻撃に投入されている。この犠牲者の孫の証言は、パキスタン軍の有人機を米国の無人機と誤解している可能性が大きい。


米空軍のリーパー無人攻撃機。狭角カメラを地上に向けており、
パイロットには他の航空機が見えないので、編隊飛行はしていない。