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『NEWSを疑え!』第256号(2013年11月21日号)

『NEWSを疑え!』第252号(2013年11月7日号)
【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆配備一段落。整理すべきオスプレイ論議
◆NHKにみる日本のオスプレイ報道
◆「固定翼機」として見たオスプレイ
◆早く日本人の手でテストしよう
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・国家安全委員会は中国版NSCか
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・日本が参考にすべき豪州の海洋戦略(西恭之)
◎編集後記
・官僚機構に信賞必罰で臨めるか

◇◆配備一段落。整理すべきオスプレイ論議

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:MV-22オスプレイの沖縄・普天間基地への配備は2012~13年に合計24機とされ、この9月に最後の1機が岩国から普天間に移動しました。沖縄配備に一区切りがついたところで、オスプレイについての議論を整理してください。

小川:「オスプレイは12年6月、第1陣の12機が山口県・岩国基地に陸揚げされ、10月までに普天間基地に配備されました。第2陣の12機が岩国に陸揚げされたのは13年7月で、こちらは8月12日までに11機が普天間に配備されました。機体に不具合があった1機はしばらく岩国にいましたが、9月26日に普天間に到着して、沖縄海兵隊のオスプレイ24機体制がスタートしました」

「10月16日には、オスプレイ2機が滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野《あいばの》演習場で実施された日米共同訓練に登場しました。訓練は8~18日に行われ、海兵隊約80人と陸上自衛隊第3師団第37普通科連隊(大阪府和泉市)約150人が参加。陸自・海兵隊員を乗せて岩国基地を飛び立ったオスプレイが演習場に着陸する様子は、報道陣に公開されました」

「さらに10月25日、オスプレイは高知県での日米共同統合防災訓練にも参加する予定でしたが、台風27号の接近で中止されました。静岡県沖から宮崎県沖を震源とするマグニチュード9.1の巨大地震が発生し、高知県内で3万3000人が死亡するとの想定のもとでの訓練です。オスプレイは高知県沖に展開した護衛艦いせに着艦し、患者を岩国基地まで搬送する訓練などをおこなう予定でした」

「幸いオスプレイは、いまのところ事故もなく、新しい時代の海兵隊の輸送手段としての存在をアピールしているわけです。日本国民の不安感が完全に払拭されたとは言いませんが、人びとの見方は少しずつ変わってきているようです。オスプレイに対して国民が抱く漠然とした不安よりも問題なのは、相変わらず危険ばかり煽り立てているマスメディアのあり方です。沖縄配備に一区切りがついたいま、この問題を整理しておきましょう」