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『NEWSを疑え!』第264号(2013年12月19日号)

『NEWSを疑え!』第264号(2013年12月19日号)
【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆こんなに迷走してきた集団的自衛権の議論
◆集団的自衛権「4類型」の問題点
◆官僚は集団安全保障と集団的自衛権を混同していた
◆「駆け付け警護」はやめようよ
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・尖閣問題で日本は大西洋憲章を活用せよ
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・米国が認めたカタール航空作戦指揮所の存在(西恭之)
◎編集後記
・『ひゅうが』の女性自衛官たち

◇◆こんなに迷走してきた集団的自衛権の議論

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:安倍晋三政権は、2013年12月に日本版NSC(国家安全保障会議)を発足させ、12月17日には外交と防衛の基本方針である「国家安全保障戦略(NSS National Security Strategy)」や防衛力整備の指針となる「防衛計画の大綱」を閣議決定しました。この先は集団的自衛権を認める方向で、さらに憲法9条の改正まで視野に入れています。そこで、集団安全保障と集団的自衛権について、おさらいしておきたいと思います。この2つを改めて整理・解説してください。

小川:「日本は戦後の長い間、集団安全保障や集団的自衛権についての議論そのものを棚上げにして、『集団的自衛権はすべての国が持っているが、日本は憲法上の制約から行使できない』という立場を取り続けてきました」

「といっても、日本の周辺国のほとんど(ソ連、中国、北朝鮮)が日本と政治体制を異にする共産国家で、唯一の例外である韓国は1950~53年の朝鮮戦争で北朝鮮に攻め込まれ、存亡の危機に瀕しました。自衛隊をつくっても、個別的自衛権だけでやっていくことはできそうにありません。そこで日本は1951年9月8日、サンフランシスコ講和条約署名と同時にアメリカと日米安全保障条約を結び、日米同盟によって国を守ってきました」

「この日米間の同盟は、多くの国家が国際的な機構をつくって構成国間の武力紛争を予防し、紛争拡大を抑制し、平和を回復していく本来的な『集団安全保障』(collective security)システム(たとえば国連軍のシステム)ではありません。ただし、2国間だけでも『集団的防衛』(collective defence)のシステムには違いありませんから、この意味で『集団安全保障』と混同されることがあります。つまり、日米安保体制は、本来の集団安全保障体制ではありませんが、集団安全保障体制の一つとされることがあるのです」

「しかも、集団的自衛権は封印したままでしたから、1990年代に入って日本の自衛隊がPKO(平和維持活動)などの国際貢献を求められるようになると、また別の議論の混乱が生じました。国連のPKO活動は、明らかに『集団安全保障』システムの一つです。それなのに、PKO活動に参加することは憲法上認められない『集団的自衛権』の行使ではないか、という声が起こったわけです。つまり、『集団安全保障』と『集団的自衛権』の混同です」