- 『NEWSを疑え!』第288号(2014年3月27日号)
- 【今回の目次】
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆あなたは「靖国神社」を知っていますか
◆老人までが靖国神社について無知
◆必要なのは戦争犠牲者すべての追悼施設
◆アメリカが靖国を懸念する本当の理由
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・米国が持つロシアを追い詰めるカード
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・日清戦争の敗因を学ぶ中国軍の危機感(西恭之)
◎編集後記
・『中国の戦争力』を出版しました
◇◆あなたは「靖国神社」を知っていますか
国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久
Q:前回のメルマガ「安倍政権の通信簿」で、安倍晋三首相が靖国神社に参拝した話が出ました。「靖国神社」問題を、小川さんはどのように考えていますか?
小川:「2度目の首相就任から366日目の2013年12月26日、安倍さんは靖国神社に参拝しました。善意に解釈すれば、これは支持者に仁義を切っておく必要があったということだろうと思います。この点は前回お話ししたとおりです。2006~07年の第1次安倍政権で参拝できなかったことを『痛恨の極み』と言った安倍さんは、とにかく現職首相として1度だけは、という思いが強かったのでしょう」
「安倍さんの靖国参拝には、当然のことながら中国と韓国が猛反発し、同盟国アメリカもきわめて異例の『失望』という声明を出しました。アメリカの主要紙は、ニューヨークタイムズが『日本の危険なナショナリズム』、ワシントン・ポストが『日本首相の戦争記念施設への訪問は挑発行為だった』などと、社説で批判的に報じています」
【資料】米主要紙の論調
●EDITORIAL: Risky Nationalism in Japan
http://www.nytimes.com/
●The Post’s View: Japanese prime minister’s visit to war memorial was provocative act
http://www.washingtonpost.com/
小川:「また、ロシア外相のスポークスマンやシンガポール外務省の報道官が『遺憾』と表明しましたし、EUは名指しの批判こそ避けたものの、関係国に肯定的・建設的な結びつきのための協力を求めるという言い方で、暗に遺憾の意を表明しました。ドイツ首相のスポークスマンも『一般論』と断りつつ、『すべての国は20世紀の恐ろしい災厄における自らの役割に誠意をもって応じるべきだ』と述べています」