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『NEWSを疑え!』第312号(2014年6月23日特別号)

『NEWSを疑え!』第312号(2014年6月23日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・知ってますか?ロッキー山中の潜水艦実験場
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・日本を世界の原子力安全の聖地に(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・知ってますか?ロッキー山中の潜水艦実験場

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 世界一の静粛性を実現した米海軍の原子力潜水艦は、敵に探知されずに艦船を阻止する能力を世界中の海域に展開している。また、この静粛性のゆえに、オハイオ級弾道ミサイル原潜を探知し、先制攻撃で撃沈することはほぼ不可能で、これが米国の核抑止力の強力な基盤となっている。

 日本の読者には初耳かも知れないが、この静粛化技術を開発してきた音響研究分遣隊の実験場は、米国の沿岸だけでなく、西海岸から430キロ内陸、なんとアイダホ州北部のロッキー山中ポンドレー湖にもある。隊長のデビッド・フォックス中佐は2001年、米海軍の潜水艦関係者の雑誌の中で、次のようなポンドレー湖実験場の利点を挙げている。[1]

1)水深300メートル以上の水域が67平方キロあり、潜水艦の大型模型を用いた実験に十分な深さと広さがある。

2)ポンドレー湖の水中は自然界の雑音が少なく、1年間の4分の1の間は、無風状態の海面の下に比べても静かである。音波を反響・拡散する微粒子が少なく、湖底の平らな泥の層は音波をほとんど反射しないからだ。

3)水深90メートル以上の水温は1年中4.2度と安定しており、実験結果を再現する場合も、水温の変動の影響を受けることがない。


ポンドレー湖(Lake Pend Oreille)周辺図
(原図は米地質調査所作成)