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『NEWSを疑え!』第324号(2014年8月7日号)

『NEWSを疑え!』第324号(2014年8月7日号)
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆「歯止め、歯止め」と騒ぐ前に
◆自衛隊の「戦力構造」を知らないのか
◆最初から「歯止め」がかかっている自衛隊
◆誇り高く手を縛ってみせる戦略
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・スンニ過激派がガザ紛争を無視する理由
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・イスラエルの「アイアン・ドーム」とは(西恭之)
◎編集後記
・嗚呼、日本のサイバーセキュリティ

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

◇◆「歯止め、歯止め」と騒ぐ前に

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

Q:政府は2014年7月1日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。その結果、「日本が望まない戦争に巻き込まれかねない」「自衛隊が海外で戦争をしかねない」と思っている国民もいます。「そうならないための歯止めが、ないではないか」と批判するメディアも少なからずあります。どう考えますか?

小川:「閣議決定を受けて、新聞には『歯止めがない』『歯止めをどうする』という見出しが踊りましたね。これを見て私は、二つのことを感じました

「まず、自衛隊を海外に送るかどうか、あるいは海外で戦争をするかどうかを決めるのは日本政府であり、私たちが選挙で民主的に選ぶ多数党が組織する内閣です。だから、戦争をしたくなければ、戦争は絶対にしないという政権を選べばいい。歯止め歯止めと大騒ぎするマスメディアは、日本人にはそんな政権選びができそうもない、と主張しているように私には見えます。そんなにも自分たちの民主主義に自信がないのか、というのが一つめの感想ですね」

「二つめの感想は、そもそも自衛隊に海外で本格的な戦争ができると思っているのか、という話です。以下でお話しするように、日本の自衛隊は、いわゆる『戦力投射能力』を持っていません。海外に大兵力を送り込むことができませんから、海外で戦争をしたくてもできません。にもかかわらず歯止め、歯止めと騒ぐのは、日本の防衛力を客観的に分析して現状を把握していないからです。つまり、マスメディアも含めて日本人の多くは、右も左も、税金の使い道をチェックしていません。これは日本の民主主義が形式に流れてしまっている証拠ともいうべき姿でしょう」

「アメリカ独立戦争で叫ばれたスローガンは『代表なくして課税なし』でした。植民地議員を受け入れないイギリスが課税だけ押しつけるのは暴政だ、というわけです。だから、議会は政府の課税状況を監視し、税金の使われ方をチェックする必要がある。これが民主主義的な議会の当然のあり方だ、という話になります。そんな民主主義が機能していれば、毎年5兆円近い税金を投じて維持する自衛隊ができることとできないことを知らない国会議員など、いるはずがないでしょう。だから、日本の民主主義は形骸化しているというのです」