『NEWSを疑え!』は有料メールマガジンコンテンツです。バックナンバーは会員登録をされた方のみ読む事が出来ます。
  • 会員登録をされていない方は「購読する」ボタンより購読手続きを行って下さい。
  • 購読する

  • 会員の方は枚ページログイン後「バックナンバーを読む」ボタンよりお読みいただけます。
  • バックナンバーを読む

『NEWSを疑え!』第333号(2014年9月11日号)

『NEWSを疑え!』第333号(2014年9月11日号)
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆これが米軍の非戦闘員避難活動(NEO)だ
◆船は使わず韓国から空路で12万5000人
◆北朝鮮への「圧力」でもあるNEO
◆NEOは軍事戦略の一環と理解せよ
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・「イスラム国」に圧倒されるアサド政権
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・米国の海軍力整備は核戦力を最優先へ(西恭之)
◎編集後記
・米国がフィリピンでやった大虐殺

◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)

◇◆これが米軍の非戦闘員避難活動(NEO)だ

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使容認を説明するとき「邦人輸送中の米輸送艦の防護」という事例を挙げました。アメリカが自国民を退避させる船に日本人が同乗したとき、その船を自衛隊が守ることができるようにしたい、と。そもそもアメリカに、朝鮮半島から船で民間人などを避難させる計画があるのですか?

小川:「安倍さんは、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会の報告書が出た2014年5月15日の記者会見で、『邦人輸送中の米輸送艦の防護』と題するパネルを示しながら、こう述べました」

「今や海外に住む日本人は150万人、さらに年間1800万人の日本人が海外に出かけていく時代です。その場所で突然紛争が起こることも考えられます。そこから逃げようとする日本人を、同盟国であり、能力を有する米国が救助、輸送しているとき、日本近海で攻撃があるかもしれない。このような場合でも日本自身が攻撃を受けていなければ、日本人が乗っているこの米国の船を日本の自衛隊は守ることができない、これが憲法の現在の解釈です」

「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をした7月1日の記者会見でも、安倍さんは同じパネルを指して、『例えば、海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を同盟国であり、能力を有する米国が救助を輸送しているとき、日本近海において攻撃を受けるかもしれない。我が国自身への攻撃ではありません。しかし、それでも日本人の命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定です』と述べています。『米国が救助を輸送しているとき』というのは誤植だと思いますが、首相官邸のサイトはそのようになっています」

【資料:安倍内閣総理大臣記者会見】(首相官邸サイト、動画あり)
●2014年5月15日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0515kaiken.html

●2014年7月1日
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0701kaiken.html

「安倍さんは国や場所こそ名指ししませんでしたが、これは誰がどう見ても朝鮮半島の話です。しかし、結論から申しあげれば、朝鮮半島におけるアメリカの自国民退避は航空機でおこなわれるのが基本です。艦船は、まず使いません。今回は、実際の朝鮮半島におけるアメリカの非戦闘員退避活動(NEO)計画についてお話ししましょう」