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『NEWSを疑え!』第337号(2014年9月29日特別号)

『NEWSを疑え!』第337号(2014年9月29日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・ポーランドに敵基地攻撃能力を与える米国の狙い
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・対人地雷禁止条約から見えるもの(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

・ポーランドに敵基地攻撃能力を与える米国の狙い

(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 米政府は9月17日、射程370キロ以上の空対地ミサイルJASSM(統合空対地スタンドオフミサイル)と、それをF-16戦闘機から発射するために必要なソフトウェアについて、ポーランド向け輸出(有償軍事援助)を承認したと、米議会に通告した。輸出は昨年8月にポーランド政府が要請していた。

 日本海などの海を挟んで隣国と向き合い、領空が外国の地対空ミサイルの射程圏外にある島国日本と異なり、ポーランドの領空の半分は、ロシアが飛び地のカリーニングラード州に配備した地対空ミサイル「S-400」の射程圏内にある。自国の防衛に出動する場合であっても、ポーランドの戦闘機や輸送機は、自国の領空内でロシアの地対空ミサイルに撃墜されるおそれがあるのだ。


ロシアの長距離地対空ミサイルシステム「S-400」

 ポーランドはJASSMの導入によって、長距離地対空ミサイルを破壊する攻撃力を獲得し、領空内の航空機に対するロシア側の攻撃を抑止できるようになる。ポーランドの防衛力向上は、ポーランドが攻撃され、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国として米国が参戦を求められる可能性が下がるという点でも、JASSMを輸出する米国にとって望ましい抑止効果が期待される。

 JASSMの射程は370キロを超えているので、射程400キロのS-400に対してもスタンドオフ能力(相手の対抗手段が届かない場所から兵器を発射し、攻撃する能力)を備えている。JASSMを発射した戦闘機は、地上から発射されたS-400が届く前に、S-400の射程圏外へ飛び去ることができるからだ。