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『NEWSを疑え!』第341号(2014年10月16日号)

『NEWSを疑え!』第341号(2014年10月16日号)
◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆小型武器の貫徹力を知ってますか?
◆ライフルや狙撃銃は…
◆RPG-7は26~75cm装甲板もOK
◆装甲板を撃ち抜くメカニズム
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・イラクの遺棄化学兵器を「イスラム国」が使う
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・パキスタン軍艦奪取を狙うアルカイダ(西恭之)
◎編集後記
・こんなリスクも安倍内閣は抱えている

◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)

◇◆小型武器の貫徹力を知ってますか?

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:当メルマガ2014年6月26日号「小型武器を『重火器』と呼ぶ日本の警察」で、RPG-7は国際的には軽火器・小型武器に分類される、という話がありました。兵器の分類と同じように私たちがよく知らないのは、ライフルや対戦車ロケットの「貫徹力」です。今回は、これについて解説してください。

小川:「軽火器の貫徹力をわかっているのは自衛官のほかは海上保安庁と警察の一部、それに軍事マニアくらいで、ふつうの人は知るよしもないでしょう。何cmの装甲板を撃ち抜くという貫徹力は、同じ武器でも使う弾によって違います。ところが、メディアの報道はよく知らない記者が資料を読んで書き、字数の制限もありますから、『標準の弾を使った場合は』といった注釈が入りません。すると、同じ武器でも新聞によって数字が異なることがあり、どれが本当かわからない読者は混乱してしまいます」

「国民一般に限らず、その肩書きのせいでマスコミや世間から『専門家』と見なされているような人でも、とんでもない誤解をしていることがあります。2000年5月の西鉄バスジャック事件(佐賀発福岡行きの高速バスが牛刀を持った17歳の少年に乗っ取られ、乗客1人が死亡し、2人が負傷)のとき、私が聞いた警察首脳OBの主張が典型的でした」

「事件が進行中の段階で、私は『警察が犯人を狙撃して無力化するしかない』と主張しました。説得を続けても死傷者が増える恐れが大きい犯人像であることは、山陽自動車道を東に向かう走行中のバスから人質2人が飛び降りたことで明らかです。したがって、広島・岡山県警などの部隊が適当なポイントにバリケードをつくり、狙撃手を要所に配置してバスを停車させ、もっとも条件のよい狙撃手が発砲して無力化するしか、打つ手はありません。そう私は、メディアにコメントし、事件後の論考にも書きました」

「ところが、警察を辞めた直後の前・警視庁副総監が人質事件の『責任者』だったとして、私に直接抗議してきたのです。『評論家のあなたは、銃のことなど何一つ知らない。それがテレビニュースを見て勝手なことを言ってもらっては困る。ライフルの弾は、バスのフロントガラスで跳ね返されてしまうのです』と。呆れた私が『私は陸上自衛隊でライフルの射撃訓練を受けました。その初歩の知識で申しあげても、私が使ったM1ライフルは有効射程500mで、100m離れて厚さ13ミリ鋼鉄製装甲板を撃ち抜く威力がありました。ライフルと目標の間にあるバスのフロントガラスなどないに等しく、弾道がそれることもありませんよ』というと、黙ってしまいました」

「これは、某重電メーカーの幹部や関連会社社長などを集めた講演会で、私が日本の警察の問題点に触れたときのことでした。前警視庁副総監はメーカー顧問として講演会を聞いており、講演後わざわざ控え室にきて、私に文句をいったのです。メーカーの講演担当者は後で『すみません。こんな人は相手にしないでください』と平謝りでした。天下り先の社員たちに知識のあるところをひけらかそうとしたというよりも、本当にライフル弾がフロントガラスに跳ね返されると信じ込んでいたわけです」