- 『NEWSを疑え!』第462号(2016年1月28日号)
- ◎ストラテジック・アイ(Strategic Eye)
◇◆ 輝く女性デビッドソン氏に注目
◆ 超売れっ子学者
◆ C-17を操縦する安全保障戦略のプロ
◆ 次期海軍次官に指名
◎セキュリティ・アイ(Security Eye)
・ イランに無害通航権を主張しなかった米政府
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(Military Eye)
・ B-52への核爆弾搭載が想定されない理由(西恭之)
◎編集後記
・ 蔡英文が最初に日本を訪問する理由
◇◆ 輝く女性デビッドソン氏に注目
Q:安倍晋三内閣が「すべての女性が輝く社会づくり」を推進中ですが、アメリカでは次の海軍次官としてジャニーン・デビッドソンという女性が推挙されていますね。小川さんと西さんは面識があると聞きました。どんな人物ですか?
小川・西:「ジャニーン・デビッドソンさんは現在、アメリカの『外交問題評議会』で国防政策を研究するシニアフェロー(上級研究員)を務めています。外交問題評議会(Council on Foreign Relations=CFR)は、日本では外交に関する権威あるシンクタンクとして紹介されることもあるようですが、実は外交問題や世界情勢を分析・研究し、提言する非営利の会員制組織で、アメリカの対外政策に大きな影響力を持つ超党派の政治団体です」
「設立は1921年と古く、本部はニューヨークにあり、会員は国会議員、政府はじめさまざまな公的機関関係者、大企業経営者や大富豪、著名学者、ジャーナリスト、コンサルタントなど5000人近くを数えます。この組織が、70人以上の専門家を擁するシンクタンク部門『デビッド・ロックフェラー研究プログラム』を持ち、外交誌『フォーリン・アフェアーズ』を刊行する出版部門も併せ持っているわけです」
「オバマ大統領は非会員ですが、歴代の大統領、国務長官(外務大臣にあたる)、国防長官、CIA長官、財務長官などの多くは、共和党系・民主党系にかかわらず会員です。そこで外交問題評議会は『影の世界政府』といわれたりもします。デビッドソン女史は、その終身会員であり、同時にシンクタンクの上席の研究員です。このことだけでも、ただものではない女性とわかります」
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(小川和久)