- 『NEWSを疑え!』第479号(2016年4月4日特別号)
- ◎テクノ・アイ(Techno Eye)
・米国原子力艦船は高濃縮ウラン型から低濃縮ウラン型へ
(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記
・北朝鮮の新型ICBMにウクライナの影(小川和久)
◇◆ 米国原子力艦船は高濃縮ウラン型から低濃縮ウラン型へ
米国は高濃縮ウラン(HEU)の転用による核テロと核拡散を防ぐため、日本など各国の研究用原子炉や医療用アイソトープ生産ラインの低濃縮ウラン(LEU)への転換を支援し、HEUを引き取って、核兵器に転用不可能な状態に希釈している。
HEU燃料の世界最大の用途は米国・ロシア・英国・インドの原子力艦船だが、オバマ大統領は3月31日、米海軍が船舶用原子炉で利用可能なLEU燃料の研究開発計画に着手したと発表した。
原子力艦の燃料と、その生産を名目とするウラン濃縮は、核拡散防止条約(NPT)の抜け穴となっている。イラン当局は核問題交渉の駆け引きとして、原潜を建造すると表明したことがある。米海軍の船舶用原子炉の厳しい設計要件を、LEUで満たすことができると証明されれば、船舶用燃料のためにHEUを生産すると主張する国に対する反論が容易になる。
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(小川和久)