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ロシア軍を攻撃する民生用ドローン -『NEWSを疑え!』第1036号(2022年3月14日特別号)

『NEWSを疑え!』第1036号(2022年3月14日特別号)
◎テクノ・アイ(Techno Eye)
 ・ロシア軍を攻撃する民生用ドローン
 (静岡県立大学グローバル地域センター特任准教授・西恭之)
◎編集後記
 ・ウクライナの抵抗の凄み(小川和久)

◇◆ロシア軍を攻撃する民生用ドローン

 ウクライナは2月25日、国家として世界で初めて、防衛のため国民に民生用無人航空機の提供を求めた。国防省がFacebookへの投稿で、首都キエフ(キーウ)の防衛のためにドローン(マルチコプター型無人機)を提供するよう所有者に求め、操縦に自信のある者は、キエフ市独立旅団第112部隊による偵察に参加するよう求めた。

 ウクライナ側ではすでに、民生用ドローンによる撮影が戦果の確認と内外への宣伝に役立っているが、前進するロシア軍に対してゲリラ的に抵抗する局面が増えると、偵察にも空爆にも民生用ドローンがいっそう重要になる。

 2015年以後のウクライナでは、ロシアまたは傀儡勢力のものとみられるドローンが、弾薬庫に焼夷手榴弾を投下する攻撃が続いた。南東部のルハンシク州スヴァトヴェでは15年10月、弾薬3000トンが爆発し、住宅1700軒が損傷した。東部のハリコフ(ハルキウ)州バラクリヤの弾薬庫に15年12月、ドローンが手榴弾14発を投下したときは、ウクライナ軍が消火に成功し、不発のZMG-1焼夷手榴弾1発を回収した。しかし、2017年3月にはバラクリヤ弾薬庫に対するドローンによる空爆が成功し、民間人1人が死亡、5人が負傷し、2万人が避難した。中西部のヴィーンヌィツャ州カルィーニウカで17年9月、砲弾3万2000トンが爆発した破壊工作でも、ドローンが使用された疑いがある。



(小川和久)