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『NEWSを疑え!』第11号(2011年5月9日特別号)

『NEWSを疑え!』第11号(2011年5月9日特別号)
◎ミリタリー・アイ(加筆版):米軍の新型電子戦機はウイルスで敵を攻撃する(主任研究員・西恭之)
◎セキュリティ・アイ(加筆版):それでも次世代原発の開発は進む(主任研究員・西恭之)
◎編集後記:MITメディアラボ所長に就任した伊藤穣一氏のこと

ミリタリー・アイ(Military Eye):

◇◆米軍の新型電子戦機はウイルスで敵を攻撃する(主任研究員・西恭之)◆◇

 敵地上空で偵察・爆撃・輸送などの航空作戦を行なうには、まず、敵に妨害されない状態(航空優勢=制空権)確立する必要がある。

 航空優勢を確立するには、地上レーダー・戦闘機・地対空ミサイルなどで構成される敵の防空システム無力化(敵防空網制圧)しなければならない。

 その方法は第2次世界大戦以来、急速に発達してきた。当時の英本土航空戦は、レーダー戦闘機基地に対するドイツ軍の空爆で始まった。空中からアルミ箔などのチャフを散布してレーダー電波を散乱させ、探知を妨害する戦術も、大戦中に開発された。また、ドイツは本国から英国まで電波を発信して、夜間に爆撃機を誘導していたので、英国は同じ周波数電波を発信して妨害した。この方法がノイズ・ジャミングで、英国はドイツの防空レーダーに対しても行なった。

 しかし、防空システムを空爆しても、レーダー波の反射を妨害しても、そのことによって航空作戦が始まっていることに気付いてしまうというデメリットがある。逆に、敵レーダーを攻撃しない形で密かに無力化できれば、敵が気付かないうちに航空優勢を確立できる。

 敵レーダーを欺瞞するために米空軍が最初に開発したのは、航空機が受信したレーダー波を記録して、わずかな時間差で本物の反射波よりも強い出力で敵レーダーに送信することによって、偽の位置を示す方法である。米空軍は1960年、レーダー画像偽目標発生させる電子妨害装置AN/ALQ-15をB-58超音速爆撃機に搭載し、配備した。

 この方式の問題点は、電子妨害装置の有効範囲内を搭載機が飛んでいる間しか、敵レーダーを欺瞞することができないことだった。

 似通った方式の電子妨害装置の改良の一方、コンピュータとインターネットの発達に伴い、画期的な方式が模索されるようになった。コンピュータウイルスによって密かに防空システムを撹乱すれば、自在に航空作戦を行なえるのではないか──。