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『NEWSを疑え!』第25号(2011年6月27日特別号)

『NEWSを疑え!』第25号(2011年6月27日特別号)
◎セキュリティ・アイ(加筆版):中国の海洋戦略は予想外に柔軟(主任研究員・西恭之)
◎ミリタリー・アイ(加筆版):次なるアルカイダの標的は日本へのシーレーン(主任研究員・西恭之)
◎編集後記:郷土愛=祖国愛という安全保障の基盤

セキュリティ・アイ(Security Eye):

◇◆中国の海洋戦略は予想外に柔軟(主任研究員・西恭之)

 アジア・太平洋地域での中国海軍海洋管理組織の活発な活動が関係諸国の懸念を増幅させている。今年も5月以来、ベトナムフィリピンの船舶に対する中国艦船の実力行使が続発したほか、6月に入ると水上艦11隻潜水艦からなる艦隊が沖縄本島宮古島の間を通って太平洋を往復、中国海軍は西太平洋での演習常態化させつつある。

 しかし、そうした中国の目に見える動きを追うだけでは、背後に隠された戦略的思惑を窺い知ることはできない。中国は、実力行使の前面に出ている強面(こわもて)の組織と、領海外で活動する場合にも実力行使しない海洋管理組織を巧みに使い分けることによって、ソフトな中国のイメージの浸透を図りつつ、和戦両様の構えで柔軟海洋権益の確保を追求している。

 中国国土資源部国家海洋局は6月17日、2020年までに海洋監視船を現在の260隻から520隻倍増し、海監総隊の人員9000人1万5000人に増強する方針を発表した。実現すれば、海上保安庁の現在の勢力(人員1万2000人、船艇455隻、航空機73機)を上回る規模となる。

 この方針は、決してこけおどしのペーパープランではない。中国国力海監能力からして実現可能だと認識しておく必要がある。

 海監は昨年、12隻の監視船を就役させ、同時に1500トン型7隻、1000トン型15隻、600トン型14隻の合計36隻の監視船について、起工に踏み切った。2015年までの第12次5カ年計画期間内に、監視船は350隻の勢力に増強される見込みだ。

 海監総隊人員も、今年中に1000人増えて1万人に達するとされ、空から中国の海洋権益を守る固定翼航空機も現在の10機から16機に増やされる。

 しかしながら、中国政府が海洋権益を確保するために増強している組織は、海軍と海監だけではない。

 日本では中国海軍以外が話題になることは少ないが、中国は海軍のほか以下のような5つの海洋管理組織を備えている。

(1) 海監:国土資源部国家海洋局に所属。中国が主張する排他的経済水域を中心に監視・調査を行なう。2008年12月8日、海監の調査船2隻が尖閣諸島領海内に約9時間漂泊した。大型船には固定武装なし。