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『NEWSを疑え!』第74号(2011年12月19日特別号)

『NEWSを疑え!』第74号(2011年12月19日特別号)
◎テクノ・アイ:捕獲された無人機はイランに撃ち込まれた米国の毒矢?(主任研究員・西恭之)
◎セキュリティ・アイ:実態から見た「中国のスパイ活動」(主任研究員・西恭之)
◎編集後記:初めての読者のために(『NEWSを疑え!』のご説明)

セキュリティ・アイ(Security Eye):

捕獲された無人機はイランに撃ち込まれた米国の毒矢?(主任研究員・西恭之)

 イランが捕獲した米国のステルス無人偵察機だが、思わぬ形でイラン側に強力なプレッシャーをかける効果があることが判明、米国による高度な心理戦の一環ではないかと囁かれている。イランが公表した無人機は実際の機体の半分ほどの大きさしかないと推測されるうえ、ここにきて、この無人機に関するイラン側の説明が米当局によるリークの後を追う内容になっているからだ。

 イラン政府は12月4日、領空侵犯した米国のRQ-170センチネル無人偵察機をサイバー攻撃によって強制着陸させたと発表、8日に映像を公開した。米政府当局者も6日、RQ-170が11月29日にアフガニスタン西部上空で操縦不能になったことを認めたが、航法システムの故障が原因で墜落したと主張している。オバマ大統領は12日、イランに返還を求めていることを明らかにした。

 下の写真(右、左)では、保管中の米無人機は体育館のような建物の中に展示されている。右下の写真の床面がバスケットボールコートのセンターサークルであれば、機体は全長5メートル強、幅14メートル弱と推測できる。これは、アフガニスタンのカンダハル空港などでRQ-170を目撃した人々からの「機体の幅は20‐26メートル」との情報と大きくかけ離れており、この点からイランが保管中の機体は「米国が意図的にイランに掴ませたダミーではないか」という重大な疑問が湧いてくる。


(イランが保管中の米無人機。出典[1])

 マスコミでは、RQ-170の機体のステルス技術がロシア、中国などに流出する可能性が大きく取上げられている。しかし、RQ-170の能力が判明するに従って、逆にロシア、中国、イランなどが多大な負担を強いられ、強いプレッシャーのもとに置かれる可能性については、語られることが少ない。

 それは、次の2点を見れば明らかだろう。

 1)ロシア、中国、イランなどがRQ-170の情報収集システムを分析するほどに、同様な能力を備えた米国の無人偵察機から自国の秘密を守るための措置を講じなければならなくなり、そのために多大な負担を強いられることになる。

 2)米国がRQ-170の65倍の監視能力を持つ新型の無人偵察機を投入してくることに対しても備える必要に迫られ、これが強いプレッシャーになること。

 RQ-170は、今年5月のビンラディン殺害作戦で隠れ家を突き止めるのに大きな役割を果たしたが、搭載しているフルモーションビデオはチャンネルが1つに限られている点で、他の無人機と変わらないものだ。