『NEWSを疑え!』は有料メールマガジンコンテンツです。バックナンバーは会員登録をされた方のみ読む事が出来ます。
  • 会員登録をされていない方は「購読する」ボタンより購読手続きを行って下さい。
  • 購読する

  • 会員の方は枚ページログイン後「バックナンバーを読む」ボタンよりお読みいただけます。
  • バックナンバーを読む

『NEWSを疑え!』第138号(2012年8月9日号)

『NEWSを疑え!』第138号(2012年8月9日号)
◎終戦の日に──日本の「空母保有論」のリアリティ
・1982年に始動した中国の空母保有戦略
・巨大な陸軍が仕切っている中国人民解放軍
・日本が本格的空母を保有する条件
◎セキュリティ・アイ:中国の地方都市が中央を無視して独自の武装組織を創設(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:偶発戦争の危険性あふれるペルシャ湾の現実(西恭之)
◎編集後記:津波避難施設の「空白」をなくそう

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆終戦の日に──日本の「空母保有論」のリアリティ◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:今年も、また「終戦の日」がめぐってきます。1945(昭和20)年8月15日から、実に1世紀の3分の2という長い月日が流れました。今回は、68回目の終戦の日を前に、小川さんがこれだけは語っておきたいと思うテーマを取り上げてください。

小川:「そうですね。日本人は相変わらず平和を唱え、オスプレイ配備反対や普天間の沖縄県外移設を叫んでいます。しかし、そのわりには、軍事問題と正面から向き合い、知恵を絞って紛争や戦争をなくし、真の平和を実現していこうという動きが、一向に見られません。みんな『平和!平和!』とお題目さえ唱えれば、平和を構築する営みなしに平和が訪れる、と思っているかのようです」

反原発の動きも、同じように私は不信の目で見ています。福島第一原発の大事故が起こり、放射能も原発も不安でたまらない。だから、みんな反原発デモに出かけて『原発をなくせ!』と声高に叫びますが、政府を動かして原発を安全な状態にさせる取り組みに、あまりにも欠けています。きわめて情緒的に、ただ『原発はイヤ』と叫んでいるだけに見えるのです」

尖閣諸島で中国漁船衝突事件が起こったのは2010年9月ですが、中国は最近も尖閣諸島周辺に漁業監視船などを盛んに徘徊させています。中国艦隊が宮古水道を通過した、中国が大連で改修中だった空母の実戦配備が近い、といった報道も相次ぎます。すると日本国内では、平和を唱える声の一方で、『中国の空母は大きな脅威だ』『日本も空母を持つべきだ』という強硬論が出てきます」

「一方は平和が大切、一方は空母が必要と、方向は正反対ですが、情緒的なお題目に終始している点が共通しています。どちらも冷静で論理的な議論の欠如が大問題なのです。このあたりをきちんと整理しておかないと、鶴田浩二さんの『傷だらけの人生』ではありませんが『右を向いても左を見ても、馬鹿と阿呆の絡み合い』というお先真っ暗闇の状況が続いてしまいます。中国空母に対抗しようという強硬論だけが高まっていき、ある時点から日本側が腰砕けとなって屈服してしまうパターン、要するに尖閣諸島中国漁船衝突事件の二の舞にすらなりかねません。そこで今回は、日本人の多くが誤解し、議論の整理を必要としている『空母保有論』についてお話ししましょう」