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『NEWSを疑え!』第143号(2012年8月30日号)

『NEWSを疑え!』第143号(2012年8月30日号)
◎日米でこんなに違うジャーナリストの「なり方」
・スーパーエリートか、叩き上げか
・毎日新聞だけが35年前から学歴不問
・実践型ジャーナリズム講座がない日本の大学
◎セキュリティ・アイ:社会秩序とSNS――インド民族紛争の場合(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:中国の軍事力拡大を制御するための軍事戦略とは(西恭之)
◎編集後記:凶器準備集合罪って、知ってますよね

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆日米でこんなに違うジャーナリストの「なり方」◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:東北復興が遅々として進まず、原発問題も迷走するなか、消費税の引き上げだけを決めた政治のドタバタ、尖閣諸島や竹島をめぐる外交の迷走を見るにつけ、ジャーナリズムの「劣化」を感じる今日この頃です。軍事や防衛に限っても普天間、尖閣、オスプレイ問題などがもたつく大きな理由の一つとして、メディアの無責任という問題が挙げられるでしょう。今回はジャーナリズムを取り上げてください。

小川:「そうですね。坂本さんも私と同じ感想を持っていると思いますが、日本でジャーナリスト、つまり新聞・雑誌・放送の記者になる人は、それなりの大学に入ってコミュニケーション論やジャーナリズム史といった教科書を読まされ、知識だけを蓄えた頭でっかちで会社に入ってくる。そこからもう一度トレーニングをつまなければ、現場では通用しない状況です。そもそも、ここから改めなければならないのではないか、と私は思っています」

「この点、アメリカではジャーナリズムに人が入ってくるルートも、人の育て方や生かし方も全然違います。しかも日本には、ピュリツァー賞で知られるジョーゼフ・ピュリツァーの遺志によって1912年に開設された米コロンビア大学ジャーナリズム大学院のような本格的なジャーナリズム・スクールがありません。上智大学新聞学科、同志社大学メディア学科、日本大学放送学科などと称する学科はあっても、ジャーナリストを養成しているわけではないでしょう」

Q:私(坂本 衛)は日大藝術学部放送学科で週1回教えていますが、おっしゃる通りです。テレビやラジオ制作の実技は教えても、ジャーナリズムについては学問としてしか教えていません。放送局に入ってジャーナリストになろうという学生も、あまり見ませんね。就職するとき「マスコミを目指す」というんだけど、放送局、制作会社、広告会社、出版社、プロダクションなどを一緒くたにして、どこかに引っかかればいいという感じです。

小川:「そうでしょう。生き生きした若いジャーナリストたちが世界に羽ばたいていくという感じが、この国にはほとんどありません。報道写真家には、ベトナム戦争を撮ってピュリツァー賞を受けた沢田教一さん(1970年10月、カンボジア取材中に狙撃され死去)や、『地雷を踏んだら“サヨウナラ”!』という言葉を残した一ノ瀬泰造さん(1973年11月、カンボジア取材中に赤色クメールに捕らえられ処刑)などがいます。20日にシリアで銃撃されて『戦死』した山本美香さんも、その一人です。彼らは日本で組織に入ってジャーナリストになる人とは歩み方が違う。若いうちからフリーランスとして世界の現場に飛び込み、自ら学んでいった人たちですね」