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『NEWSを疑え!』第145号(2012年9月6日号)

『NEWSを疑え!』第145号(2012年9月6日号)
◎教えましょう、尖閣問題を眺めるポイント
・信頼構築のカギを握る『日中トラック2』とは?
・中国が海に放った『5頭のドラゴン』
・活動家の上陸くらいでうろたえるな!
◎セキュリティ・アイ:イラン核施設で決断を迫られるイスラエル(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎ミリタリー・アイ:一本の記事から中国脅威論が駆けめぐるという典型的モデル(西恭之)
◎編集後記:非常呼集

ストラテジック・アイ(Strategic Eye):

◇◆教えましょう、尖閣問題を眺めるポイント◆◇

国際変動研究所理事長 軍事アナリスト 小川和久

Q:2010年9月7日の尖閣諸島中国漁船衝突事件から丸2年たちますが、尖閣諸島付近では相変わらず中国船が出没しています。2012年8月16日には香港の活動家らの乗る船が領海侵犯し、7人が魚釣島に上陸。日本側の警察官と海上保安官は、船に残っていた者も含め14人を逮捕し、翌日、強制送還しました。今回は尖閣問題を取り上げてください。

小川:「たしかに尖閣諸島のまわりでは中国の漁業監視船がウロウロし、領海侵犯を繰り返しています。これに対して東京都が尖閣諸島を買いたい、いや国が買うとか、上陸許可を出す、出さないといった議論が整理されないままに長引くなか、香港の活動家らが不法上陸しました(9月5日段階では国が20億5000万円で購入を決定)。これにメディアは大騒ぎし、対抗して上陸する日本人まで出る始末です。日本政府に毅然とした対応はできないのか、と国民の苛立ちは募るばかりですね」

「専門家でも一部しか知らないことですが、実は中国人民解放軍と陸上自衛隊の間には『トラック2』と呼ばれる強い意思疎通のパイプがあり、両国軍人が本音で話すことができる信頼関係が構築されています。このパイプを通じた日中の共通認識は、『日本と中国は隣同士で引っ越しできない仲なのだから、両国の軍同士の衝突は何としても避けよう』というものです。この共通認識が存在することをまず理解し、さらに関係を強固にしていく取り組みが必要です」

「ところが、日本のメディアは軍事知識が乏しいこともあって、情緒的な報道によって危機ばかりを煽りがちです。たとえばヘリから中国の漁業取締船を撮影すると、グレーとグリーンを混ぜたような灰緑色と白色の迷彩服を着た人物が映ります。『これは海軍の迷彩服だから、軍人が乗船している。すわ一大事』という話になるわけです。もともと迷彩服は軍のものですが、現在では軍以外の海洋管理組織でも、場合によっては漁船でも使っているごく普通の作業服なのです。そんな誤解を解く一助として、今回は中国の海洋管理組織についてお話ししましょう」