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『NEWSを疑え!』第149号(2012年9月24日特別号)

『NEWSを疑え!』第149号(2012年9月24日特別号)
◎テクノ・アイ:ここまで進んだ第一線の情報共有システム(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)
◎編集後記:大連で反日デモが起きない理由(小川和久)

◎テクノ・アイ(Techno Eye):

ここまで進んだ第一線の情報共有システム(静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之)

 民間企業や消防では、位置情報をGPS端末から自動的に集め、車両や人員の行動を管理するシステムが既に普及しているが、司令部組織など管理側だけが位置情報を把握し、出先の車両や人員の間で情報が共有されない「集約型」のタイプがもっぱらだ。

 民間組織の場合は、それでもよいかもしれない。しかし、軍事組織はすべての部隊が味方の位置情報を共有することが求められる。味方の展開状況がわかっていれば、敵に遭遇した部隊を速やかに支援できるし、誤射や誤爆を防ぐこともできるからだ。

 そのような戦場のニーズから、位置情報の把握と共有のシステムが防空用に開発されたものの、地上部隊については後回しとなっていた。膨大な数の車両や兵員を動かす地上部隊は、その位置をレーダーで把握しようにも地形や建物が障害となるため、各部隊は位置情報を管理側に一方通行的に伝えるしか方法がなかったからだ。

 この問題を克服し、位置情報を全体で共有できる可能性が生まれたのは、GPS、地理情報システム、データ通信能力、コンピュータの処理能力が進歩した1990年代に入ってのことだ。

 状況認識の共有こそ、現在も進められている米軍再編の中核的概念「ネットワーク中心の戦い」(ネットワーク・セントリック・ウォーフェア、NCW)の柱ともなるものだが、この概念を1998年に提唱したセブロウスキー海軍中将は、米軍より進んでいる実用例として、ウォルマートの販売時点情報管理(POS)システムと、ニューヨーク市警察の犯罪情報システム「コンプスタット」を挙げた。

 これを受けて米陸軍は1999年、「ネットワーク中心の戦い」の導入に着手、陸軍部隊の状況認識を共有する目的で二種類のシステムが開発された。


ブルー・フォース・トラッカーの画面。青い印は味方、
赤い印は敵。(米空軍ニュース2008年1月12日)